こんにちは!あたうる興業の「あたろう」です。将棋第73回NHK杯、藤井聡太竜王・名人対久保利明九段の対局の棋譜と、あたろうの感想を記事にしたいと思います。
2024/1/21 第73回NHK杯テレビ将棋トーナメント3回戦第7局
▲先手 久保利明(くぼ としあき)九段 48歳 竜王戦1組(1組:15期) 順位戦B級2組(A級:13期)
△後手 藤井聡太(ふじい そうた)竜王・名人(王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖・NHK杯選手権者) 21歳 第36期竜王(1組以上:3期) 第81期名人(A級以上:2期)
解説は藤井猛九段です。本対局の見どころは、久保九段からして、藤井竜王・名人に、どんな戦法を持って行くかと言うのが興味のあるところですね。振り飛車と言っても色々有りますから、本当にこれは分からないのですけど、楽しみですね。振り飛車を振る場所から注目で、場所と囲いですねとのことです。
本対局の棋譜
▲7六歩△8四歩▲1六歩△1四歩▲7八飛(下図)
△8五歩▲7七角△3四歩▲6六歩△4二玉▲6八銀△6二銀▲4八玉△3二玉▲5六歩△5二金右▲5七銀△5四歩▲3八玉△3三角▲3六歩△2二玉▲4六銀(下図)
△4四歩▲3五歩△4三金▲2八玉△3五歩▲3八飛(下図)
△4二角▲6五歩△3六歩▲3五銀△8六歩(下図)
▲同歩△同角▲6六角△6四歩▲8八飛(下図)
△6五歩▲7五角△8五歩▲8三歩△9二飛▲3八金△5三銀▲8六飛(下図)
△同歩▲6三角△3二飛▲4四銀△同銀▲4一角成△8八飛(下図)
▲3一馬△同飛▲同角成△同玉▲7八銀△2四角(下図)
▲8二飛△3二銀▲9八金△6四角▲1八玉△3七歩成(下図)
▲同金△同角成▲同桂△5七角成▲2八銀△7八飛成▲同金△1五歩▲6二飛打(下図)
△4二銀▲8一飛成△4一歩▲3三歩△同銀引▲3四歩△同銀▲6四角△1六歩▲4六桂△1七歩成(下図)
▲同銀△同香成▲同玉△3九馬▲2八香△1六歩▲同玉△1五歩▲同玉△2四金▲1六玉△2八馬▲4二角成(下図)
△同金▲同飛成△同玉▲3四桂△同金▲7二竜△5二香▲3三歩△1五歩(下図投了図)まで108手で後手藤井聡太竜王・名人の勝利。
素人あたろうの、本対局の感想
▲先手 久保利明九段
△後手 藤井聡太竜王・名人
序盤、先手の三間飛車となりました。
素人の「あたろう」には、正直、余りにも難しい将棋で、感想を述べるのは恐縮の極みなのですが・・・中盤のせめぎ合いに注目してみたいと思います。
中盤、先手▲6五歩(下図)の場面
上図より、後手△3六歩(下図)と指します。この後手の3六の歩が、終盤まで残り、後手の攻めの拠点となりました。
上図より、▲3五銀△8六歩(下図)の場面
上図より、先手▲8六同歩(下図)と、後手の歩を取ります。終局後、先手の久保九段が、この手が良かったのかどうかと、振り返っておられました。▲8六同歩と指した時点で、AIの形勢判断は、後手の60%くらいの優勢に傾きました。AIの予想手には、▲4四銀の手があがっていました。▲4四銀なら、かなり激しいせめぎ合いになっていたと思われます。
上図より、△8六同角▲6六角(下図)の場面
上図より、後手△6四歩(下図)と指します。もし、この後、▲4四銀△6五歩▲4三銀成△6六歩と進んでいたとしても、後手の藤井竜王・名人は、後手良しと判断した手だったと思われますと、解説の藤井猛九段が、解説されていました。「あたろう」的には、先手が金を持ち駒にして、4三に先手の成銀がいる状況で、後手の良しの判断は理解できませんが・・・
手は進み、中盤、後手△3二飛(下図)の場面
上図より、先手▲4四銀(下図)と指します。ここでAIの形勢判断は、更に後手の優勢に傾きます。AIの予想手には、▲4一角成の手があがっていました。
上図より、△4四同銀▲4一角成(下図)の場面
上図より、後手△8八飛(下図)と打ちます。3一の地点に、先手の馬と角が効いていて、後手玉が、かなり危ないように見える局面。後手は△8八飛と打つのですから、後手の藤井竜王・名人は、この時点で自玉が詰まないことが見えていたと思われます。
手は進み、後手△3二銀(下図)の場面
上図より、先手▲9八金(下図)と打ちます。先手は、8八の後手の飛車を取りますよと言う手を打ちます。
上図より、後手△6四角(下図)と打って、王手をかけます。以後、後手が攻めて、その後、先手の攻めのターンになっても、後手はしっかりしのぎました。
中盤から最終盤まで、AIの形勢判断は、後手の優勢を示していました。
一局を通して、後手の藤井竜王・名人の、自玉がギリギリ詰まないという判断の基の、極所での攻めが光る対局だったと思います。
コラム・将棋サロン「またさかば」
※ここは「またわれ村」の酒場「またさかば」。「あたろう」や「またわれ」が、「またさかば」の一角を借りて将棋談義をする、将棋サロン「またさかば」です。
またわれ:やあっ!僕「またわれ」。股の割れた大根の妖精だよ。
あたろう:こんにちは!あたうる興業の「あたろう」です。
またわれ:今回のNHK杯は「藤井聡太竜王・名人」の勝利だったね!
あたろう:そうだね。「王将戦」のタイトル戦の第2局が、1月20日~21日に行われたけど、「藤井聡太竜王・名人」が勝って、2勝目をあげたね。
またわれ:第73回のNHK杯の決勝って、誰が勝ちあがるんだろうね。
あたろう:NHK杯は、トーナメントだから、予想はしにくいけどね・・・
またわれ:「藤井聡太竜王・名人」の、NHK杯の次の対戦相手は「伊藤匠七段」みたいだよ。
あたろう:それは、見る側としては、凄い対局だよね!私の記憶が確かなら、プロ棋士の最年少対決なんじゃないかなぁ。
またわれ:とにかく、必見ですな!
あたろう:そうだね!
あたろう:ほれ、「またわれ」よ。いつものように、将棋に関する質問は無いのかい?
またわれ:わしは知っている。あんた、ネタ切れだろう(ぷぷぷっ)
あたろう:(ギクリッ・・・)
またわれ:素人の「あたろう」ごときが、将棋に関するネタが、そんなにあるとは思えないしな(笑)
あたろう:失礼な・・・いや、すいません。今回はネタが無くて・・・
またわれ:やっぱりね(呆れる)
あたろう:じゃあ、今回は詰将棋でも、出題しますかね。
またわれ:おっ、いいねぇ!
あたろう:下図に、7手詰の問題を用意してみました。
またわれ:さっぱり分からん。ヒントくれ、ヒント。
あたろう:先ずは、2三の地点に、相手玉が逃げないようにする必要があります。
またわれ:▲2四桂だ!
あたろう:それじゃ、2三に玉が逃げられちゃうでしょ。
またわれ:じゃあ、▲2二飛しか無いよね。
あたろう:その通り!▲2二飛のあと、相手玉は△1一玉(下図)と逃げるしかありません。
あたろう:上図より、▲2三桂△同桂(下図)となります。こうすることで、相手の桂が、2三の位置を塞いでくれますね。
またわれ:ほー。
あたろう:上図より、▲1二飛成と飛車を成り捨てて、相手の玉を△1二玉に戻し、▲2四桂(下図)で詰めあがりです。
またわれ:本当だ、詰んでいる!面白いね!
あたろう:終盤力を強くするには、詰将棋の問題を、繰り返し沢山する必要があるよね。7手詰は、ちょっと長いけど、初めは3手詰、5手詰あたりから挑戦するのをお勧めします。
またわれ:勉強になりました!
あたろうでした。