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【オリジナル創作小説】またわれのたび その28

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【オリジナル創作小説】またわれのたび その27 - あたうる興業【ブログ版】

 

またわれとこまたわれはモリモリと温かな食事を堪能し、あっという間にたいらげてしまいました。

 

またわれ大根といえど、やはりおいしいご飯は嬉しいものです。

 

食べ終わってすっかり満足といったまたわれの隣で、こまたわれがマスターにたずねました。

 

「お食事すごくおいしかったです。ところで、この食材たちはどうやって集めてるんですか?」

 

「ん?普通に森でキノコをとったりしているよ」

 

「キノコやハーブなんかは自生してると思うんですけど、コーンは農作物ですよね?お肉も入ってたし」

 

またわれ大根は特定の人間にしか見えない存在とはいえ、畑を作ったりしていれば人間に気づかれる恐れがあるんじゃないか。こまたわれはその辺りが気になっているようでした。

 

「ああ、肉やコーンは今の所人間の住処から少し分けてもらっているよ。たくさん食べ物がある家なら、少しばかりなくなってたって気づかれはしないからね」


「やはりそうですか。畑なんて作ったら人間から不自然に思われますからね」

 

「この辺りに住んでる仲間たちの中には、農業とかに興味のある大根もいるんだけどねえ」

 

「ぼくらが自由に好きなことして暮らしていくためにも、なるべく早くにまたわれ村の作れる土地を探したいな」

 

何気なくそう言ったまたわれに、マスターが驚いたような顔で問いかけます。

 

 

「またわれ村?君はまたわれのための村を作るつもりでいるのかい?」

 

またわれは椅子から立ち上がると、両手を腰に当ててポーズを決めながら話しはじめました。

 

「そうさ!人間の目を気にしてこそこそ隠れ住まなくても、ぼくたちまたわれが毎日のんびりと生きられるための村を作るんだ。行く当てのないまたわれ大根たちを、みんなそこに呼び寄せようと思ってる」

 

こまたわれはマスターに、絶望して崖から次々と飛び降りたまたわれ大根たちの話をしました。

 

「彼らのような悲しい道を選ぶ大根を少しでも救えたら。そう思って、またわれさんは村作りをしようと決めたんです。私もまたわれさんと共に、安心できる理想の土地を探して旅をしています」


ふたりの話を聞いたマスターは、腕を組んでしばらく考えてから口を開きました。

 

「私もそうしたまたわれ大根たちの姿は何度か目にしたことがあるし、その度に胸を痛めていたよ。私にできることなんて料理を振舞うことくらいだから店をやっていたんだが、村とはなあ。でも確かにその村はみんなの希望となるだろう」

 

次回へ続く

 

 

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