あたうる興業【ブログ版】

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エッセイ「ぼくのお母さん」その6

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その5はこちらです→エッセイ「ぼくのお母さん」その5 - あたうる興業【ブログ版】

 

 私が小学生の頃のお袋の話でもしようかな。の続編です。

 小学校で運動会がありました。あの当時(約40年前)の運動会は、午前と午後、一日かけて行われ、親も参観場所にレジャーシートを敷いて見ていました。昼食は児童が参観場所で、保護者と一緒に食べていました。お袋が4人分の弁当を用意してくれました。ちなみに弁当は、大きなタッパに4人分のおかずを詰めて、あとは、おにぎりを用意してくれました。ここまでは良かったのですが・・・

 さて、昼食の時間になっても、お袋の姿が無い。しばらく、親父と私と妹で、弁当を食べずに待っていましたが、一向に姿を現さない。お昼休憩の時間も差し迫ってくるので、親父が先に食べていようと言い、3人で食べていました。

 すると、お袋が姿を現し、先に食べている我々に向かって一言、「あ~!」と低い声で言ったのを思い出します。親父が「いや、時間が無いから」と言っていました。あの時のお袋の表情から察するに、近くの自販機で酒を買って飲んでいたと推測できます。私は子ども心に「いい加減にしてくれ」と思ったのでありました。

 お袋は愛煙家(ニコチン依存症)でもありました。あの当時、お袋が吸っていた煙草はハイライト。またはエコーを吸っていたと覚えています。ある時お袋は人から、「女がハイライトを吸うのは、体に良くない」と言われて、吸う煙草をマイルドセブン(現在のメビウス)に変えたことがありました。

 家の部屋の中を、白色の煙が漂っていたのを思い出します。私も今は愛煙家なので、お袋の気持ちはわかりますが、あの時の煙草の煙の匂いを思い出します。

 さて、家でのお袋の過ごし方について、もう少し話したいと思います。お袋の愛用していた物の中に、茶筒がありました。日本茶の茶葉を入れておく物です。お袋はよく家で寝っ転がっていました。そこで茶筒の登場。茶筒を枕がわりにしていました。今、ためしに私もやってみたら、そんなに悪くはない。怠惰生活の必須アイテムだったみたいです。

 ある時期、頻繁に若い女性の営業の人が、家に出入りしていました。お袋は親父に内緒で、化粧品を購入したのでありました。それが親父に発覚して大喧嘩勃発。小学生だった私が後日、化粧品はいくらしたのか聞いてみたら、10万円したそうです。私は子ども心に、こんなおばさんに、なんでそんな高い化粧品が必要なのか、さっぱりわからずびっくりしました。お袋曰く「女の人が綺麗になるには金がかかるのよ」とか言っていた。

 お袋のエピソードは尽きないですが、こんなこともありました。

 前もってこの日に海に遊びに行こうと家族で計画していました。そして、その日出かける前になって、酒で酔っぱらっていたお袋と、親父の喧嘩が勃発。切れた親父が、お袋をおいて出かけるぞと、親父と私と妹の三人で、海に行きました。そして海から帰ってくると、家の中が酷い有様でした。

 米や、ぬか床、色々なものが、部屋の中央にひっくり返っていて、山になっていました。テーブルがその山の上に、ひっくり返っていました。そして、大喧嘩の勃発。それを尻目に私と妹でそれを片付け始めたのでした。

 今にして思えば、あのタイミングで、児童相談所に駆け込んでいればよかったのかなと思う私です。そして、親と縁を切ってしまえばよかったと後悔しています。

 

 今回はここまで、あたろうでした。

 

その7はこちらです→エッセイ「ぼくのお母さん」その7【終】 - あたうる興業【ブログ版】

その1はこちらです→エッセイ「ぼくのお母さん」その1 - あたうる興業【ブログ版】