うるちです!
スパッと本題から入りましょう。最近私が画像生成AIの絵から失われつつあると感じているもの、それは・・・「味」です。「個性」とも言えますか。
議論を巻き起こした生成AI
2023年は生成AI関連の話題が盛り上がりましたね。今や「何か作り出してくれるAI」は実に様々なジャンルへと広がりを見せています。文章だったり音楽だったり、なんと動画まで作れるとか。
特に画像生成AIは見た目のインパクトもあって、絵を描くクリエイターの間で色々と議論が巻き起こっていたのを覚えています。生成AIの存在が世に広まったのも、始まりは画像生成AIだったしなあ。
クリエイター側からしてみれば、自分が長年努力して築いてきた画風があっさりAIにパクられた日には冗談じゃない!ってなるのもよくわかります。仕事としてやってる人なら死活問題だし。
アマチュアだってパクられていい気分になる人はいないですよね。画風をパクってAIに絵を描かせたあげく「これ私が描きました!」ってSNSにアップするような人もいるだろうし。
ただ私が思うに、現状の画像生成AIを見ているとそこまでの脅威を感じなくてもいいんじゃないか・・・という気もします。
完璧な絵では感動を呼べない
確かに最近の画像生成AIは精度も上がって、初期のものよりはるかにちゃんとした物が作れるようになってきました。腕や指の数が増えちゃう問題も、カバーできるようになってきてるし。
でも画像生成AIの作る絵って、整ってはいるんだけど何か違和感があるんですよね。綺麗だけど綺麗すぎて逆に不自然といいますか。
どうしてそう感じるのか考えてみたんですが、たぶん整いすぎてて絵に雑味がないからなのかな。人の描いた絵って、綺麗な絵でもじっくり見れば些細なミスやはみ出しがあったりします。
厳密には左右対称じゃないとか、わざと骨格を大げさにデフォルメしたりとか。そういう部分も含めて製作者の味が出てるんだと思うんですよね。画像生成AIの絵には、そうしたアラがない。
写真もそうです。美女の写真ひとつ取っても、整い過ぎてて作り物くささがある。リアルの人間にはホクロやシミとか骨盤の歪みなんかが多少なりともあるはずなのに、AIにはそれがない。
これはきっと完璧に美しい絵を求めた人間の側が、AIの描く絵に対して「ここがダメ」「ここはこうしろ」みたいなダメ出しを続けた結果じゃないかと思うんですよ。
その結果、綺麗ではあるけれど個性の失われた印象に残らない絵ばかりを出力してくるようになった。という事なんじゃないかと。
むしろ初期の頃みたいな腕や指が何本もある、人間の目からしてみれば不完全な絵の方こそが、AIが本来持っていた「味」だったのかもしれません。
終わりに
ちょっとしたカットや挿絵程度ならAIの絵でも十分賄えるとは思いますが、味のない絵は飽きられやすい。人間が描く味のある絵の評価が下がるとは思えません。
だから絵描きの人は自分の持っている味に、もっと自信を持ってください。という事が言いたくてこの記事書きました。
ミロのビーナスの石像だって、腕両方ともまるごとないのにみんな美しいって評価してるじゃないですか。サモトラケのニケに至っては、首すらないのに一級芸術品ですよ。
「欠け」があるからこそ美しいものだって、世の中には結構あるのです。
以上、うるちでした!
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