うるちです!
先日pixivに「ごはん」というタイトルの雑な四コママンガを上げたりしてたんですが、その時に「でもこれギャグじゃすまないんだよなあ」とふと思いまして。
私は北海道在住なので、北海道のヒグマについて思う所を語ってみようかと。
可愛いだけじゃ終わらない
クマといえば大きくてモフモフしてて、ファンシーグッズの図案としてもよく使われる愛らしい動物です。実際テディベアなどクマのぬいぐるみは世界中で大人気。
しかしそれはあくまでファンタジー世界のクマさんであり、リアル世界に存在するクマさんとは完全に別物なのであります。
一応人類は地球の生態系の頂点に立っていると言ってもいいと思うんですが、それは群れ全体の知恵と力をフルに使えるからであり、単体丸腰だと結構ヨワヨワです。
対してクマは山の生態系の頂点に君臨している野生生物。しかも人間みたいに群れや武器の力を用いず、自身の身体能力のみで勝負しているパワー型猛獣です。
ロクな武器もない状態で、人間がそんな肉体派と鉢合わせしてしまったら。勝てる見込みはありません。
北海道を舞台にしたマンガ「ゴールデンカムイ」でもヒグマはたびたび登場してその驚異的パワーを見せつけてくれました。
「会ったら最後、山親父」なんて言葉もあるくらいですからねー。おお怖い怖い。
クマとの距離が近づきつつある
人とクマとの歴史を紐解いてみれば、過去にもお互いが近づきすぎたことによる痛ましい事件がありました。
「三毛別羆事件」や「福岡大学ワンゲル部事件」などの凄惨な現場の様子は、今も人々の心に消えない恐怖とトラウマを植え付けています。
こうした事件から人間は、クマの習性を知りクマによる被害を防ぐための数多くの学びを得ました。
人とクマの住処が明確にゲートで区切られているわけではないけど、それなりに上手く住み分けができていたのではないでしょうか。これまではね。
近年、クマの生息域がまた人間の街へと近づいてきているような気がします。いろいろ原因はあるのでしょうが、クマ関連のニュースを目にする機会も増えました。
どうせ田舎の過疎地のほうだけだろ、とも言ってられません。札幌や旭川などでも、街中のほうまでクマが出てきたり、フンなどの痕跡が見つかったりしています。
今までは「とりあえず山に入らなければ大丈夫だろ」と思ってたんですけどねえ。その辺の道を散歩してたらクマに出会いました、とか絶対イヤだなあ。
クマだって学習はしますから、山のエサより人間のエサのほうが美味いと味をしめてしまったら、ゴミをあさりに街へ出てきたりするようになってしまうんでしょうね。
さらに人間自体が「美味いしすぐ食べれる食いでのあるエサだ」と認識されてしまったなら、そのクマは次々と人間だけを狙って襲うようになるでしょう。
人間とクマの適切な距離とは
人間にとってもクマにとっても、お互いが近づきすぎるとロクな事になりません。
人間はクマに食い殺されるのを恐れますし、クマだって派手に人間社会を荒らし過ぎれば銃で撃たれて命を落とすことになるのです。
とはいえハンターも年々高齢化してる上に人数も減っていってますからね。
クマを撃てるだけのスキルと度胸のあるハンターがいなくなって、人間を襲うクマばかりが増えてしまったら、こりゃもうクマさんやりたい放題だわ。
ハンティングが儲かる仕事になれば、やりたがる人も増えると思うんですけどねえ。でもそうなると、金儲けのために絶滅するまでクマ狩ろうとするハンターも出るよね。
適度なバランスを保つというのも、きっと難しいんだろうなあ。
地元民の私としては、クマはちょっと怖いけど「害獣だから滅ぼしてしまえ!」とまで言うつもりはありません。
「クマさんを殺すなんてかわいそう!」とか無責任に言う人は滅びてほしいけど。
クマもまた地球上の生物の一種として、生きて子孫を残す権利はあると思います。ただ人間の生息域とかぶりすぎちゃうと、利害の対立が発生しちゃうからね。
クマの行動を改めさせるのは難しいので、やっぱり人間側が知恵と工夫でつかず離れずの距離を調整するしかない、という結論になりそうです。
以上、うるちでした。